第198章 中野社長の厳選

「パパ、まだとぼけてんの!」

中野蓮は腹が立ちすぎて、噛みつきたくなる。

知ってるくせに知らないふり。父親のそういうところが、とにかく癪だった。

中野航平は片手で蓮をひょいと持ち上げ、そのままソファに座らせると、根気よく説明する。

「とぼけてない。森川に、お前の今日の予定を軽く聞いただけだ。どこに行くかまでは聞いてないし、見張りもつけてない」

子どものプライバシーは、ちゃんと尊重している。

蓮は「ふん」と鼻を鳴らした。信じていない顔だ。

航平は肩をすくめ、それ以上は言い訳せず、スマホの写真をぱらぱらとめくり続ける。どの写真にも息子の姿がないのを確認すると、思わずもう一言、口をつ...

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